四葉ボックス

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平成ミステリマイベスト31【改元記念】

四葉です。

今日で平成も終わりということで、この平成に発表されたミステリの中からマイベスト31を紹介したいと思います。

ちなみにこの記事を書こうと思ったきっかけは、ツイッターで平成ミステリベストという企画(参考:松井和翠 on Twitter: "#平成ミステリベスト… ")が行われ、それから派生し、平成31年にひっかけて31作品挙げてる方がいたからです。

shikashika1111.hatenablog.com

つまるところ

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はい、すみません。とても良いアイデアだったので乗っからせてもらいました。

 

ランキング形式ではなく刊行・発表順に31作品を紹介したいと思います。作家被りなしでピックアップしてみました。

31作品一覧(&総括)は最後に載せてあります。

※なお、「ミステリ」の基準は私の判断になりますのでご了承ください。

 1:孤島パズル/有栖川有栖(平成元年)

初めて読んだ「読者への挑戦」がついた本格ものです。

孤島で起きる連続殺人、島に散らばるモアイの謎解き、さらに青春と魅力的な要素がふんだんに詰め込まれています。本当好き。

積み重ねられていく論理に惚れ惚れします。

しばし考えてみたんですが解けず、解決編を読んでみたら「ああっ!!」ってなりました。

解けそうで解けない絶妙なラインなのが上手いです。

2:金田一少年の事件簿【漫画】(平成4年~)

 ミステリ漫画と言えば、金田一少年の事件簿と、次に挙げる名探偵コナンを挙げる人が多いのではないでしょうか。

猟奇的な殺人が多く、おどろおどろした雰囲気も漂っているエピソードが多いです。犯人に必ず二つ名が付いているのも印象的でした。放課後の魔術師とか、当時トラウマものでした……

特に好きなのは、

ファイル3「雪夜叉伝説殺人事件」(トリックとあの伏線が魅力的)や、

ファイル18「魔神遺跡殺人事件(ダイイングメッセージや、魔神具のあの真相などが印象的)などですね。

3:名探偵コナン【漫画】(平成6年~)

前述したように、ミステリ漫画と言えばこの作品を挙げる人は多いでしょう。ミステリの世界に入ったのは、コナンからだったように思います。

原作で特に好きなのは、

12巻「月と星と太陽の秘密」(暗号解読の手順にワクワクしました)や、

47巻「宝石強盗現行犯」(トリックが大好きな作品です)などです。

アニメオリジナルの話もたくさんありますが、確か青山先生が全てトリックを考えているんだったと思います。

アニメオリジナルで1つピックアップするなら、184話「呪いの仮面は冷たく笑う」です。不気味な館で起こった密室殺人のトリック、これはテンション上がります。

4:そして五人がいなくなる/はやみねかおる(平成6年)

夢水清志郎シリーズの1作目です。

中学生の時に夢中になって読んでいた作品です。

その優しい世界観魅力的な謎が本当に大好きで、何度も読み返しました。

探偵の「教授」も、助手的存在の亜衣たちも非常に個性的で好きなキャラクターです。

この作品世界に飛び込んでみたいです……!!

5:名探偵の掟東野圭吾(平成8年)

なかなか変わった作品です。

ミステリでよくある要素(密室、アリバイトリック、バラバラ殺人、見立て殺人、二時間サスペンス……)を皮肉りながら話が進んでいきます。

話はめちゃくちゃコメディタッチで笑いどころ満載です。

例えば童謡の見立て殺人においては、「探偵は最後の犠牲者が出るまで待たなきゃいけないんだよ!」みたいな台詞も飛び出します。

ただ皮肉るだけでなくそれぞれの話でしっかりと真相が用意されているのも評価が高いです。

6:すべてがFになる森博嗣(平成8年)

著者のデビュー作で、犀川創平と西之園萌絵の活躍するS&Mシリーズの1作目にもなります。

愛知県にある妃真加島ひまかじま ※愛知県には実際に、同音の日間賀島という島があります)にある研究所で事件が起こります。

遺体の登場の仕方が強烈なだけでなく、決して誰も入ることのできなかった部屋で殺人が起き、そして犯人が消失するという強固な密室の謎も魅力的です。

あと、最後にこの不思議なタイトルがしっかり回収されるのも良いですね。

そして昨年再読して気づいたことがあります。解決編のあのシーン、これが平成8年に書かれたもの……!? ようやく時代が追いついた感じで、著者の先見の明には驚かされました。

7:Q.E.D.証明終了(平成9年~)【漫画】

ミステリ漫画と言えば、金田一少年の事件簿名探偵コナンを思い浮かべる人も多いかと思いますが、3年ほど後から始まり今まで連載の続いている「Q.E.D.証明終了」シリーズも忘れてはいけません。

無印は50巻で一旦区切りとなり、現在はQ.E.D.証明終了<iff>という新しいタイトルでリブートしています。

問題編終了時に必ず「Q.E.D.」というコマが出てきます。ミステリではおなじみの「読者への挑戦」ですね。

※読者への挑戦:問題編と解決編の間に挟まれるもので、作者が読者に対し「手掛りは全て出そろった。真相を推理してみせよ」と挑戦するものを指す

お気に入りの作品はたくさんありますが、9巻の「凍てつく鉄槌」、46巻「巡礼」あたりが大好きです。

9巻「凍てつく鉄槌」は登場するパズルと物語が非常に上手く融合し、そして見事作者の狙い通りの思考をさせられた作品です。1作選べと言われたら間違いなくこれを選ぶでしょう。

46巻「巡礼」ホワイダニットの傑作です。真相がわかってから読み返すと、思考の誘導が上手いな……と感心させられました。

8:実況中死/西澤保彦(平成10年)

超能力の存在する世界での事件を描いたチョーモンインシリーズの2作目の長編になります。

超能力の設定が非常に上手くミステリに組み込まれていて面白いです。

特殊設定ミステリ、万歳! 

 

そして、登場するキャラクターが非常に魅力的です。神麻さん可愛い。

この作品を読む人はその前に、短編集である『念力密室!』を先に読むことをおすすめします。時系列で一番最初の話が収録されています。そしてその順で読んだ方がより一層この作品を楽しめるはずです(『念力密室!』もめちゃくちゃ面白く、どちらを挙げるか迷いました)

自分でハードルを上げておきながらそれを軽々を超えて見せる西澤先生の力量に感服しました。凄まじい作品です。

 

9:壷中の天国/倉知淳(平成12年)

本格ミステリ大賞』は、平成に始まった(平成13年~)ミステリの賞です。『壷中の天国』はその本格ミステリ大賞の記念すべき第1回の大賞に選ばれた作品です。

とある町で発生した連続殺人は、事件が発生するたびに怪文書がばらまかれました。この怪文書がとても不気味で、狂っているようにしか見えません。

関係の無いように見える被害者たちを結ぶミッシング・リンクはあるのでしょうか?

狂人の論理を描いた傑作です。

10:厭魅の如き憑くもの/三津田信三(平成18年)

刀城言耶シリーズの記念すべき第一作です。旧家、祀られている神、厭魅(まじもの)と呼ばれているものを始めとした怪異の存在、そして特徴的な名前と、魅力的な要素がたくさん詰まってます。

私がシリーズの中で最も好きな作品でもあります。3作目の『首無の如き祟るもの』をシリーズベストに挙げる人が多いですね。その理由もよくわかります。でも1作目の、ぞわぞわするような怖さ、衝撃と眩暈を覚えるような感覚が凄まじくめちゃくちゃ私好みなのです。

(私の中では「厭魅の如き憑くもの」「凶鳥の如き忌むもの」「首無の如き祟るもの」です。どれも面白いんですけどね!!)

刀城言耶のあの言葉とそれに続くあの文の衝撃と言ったら!

11:安楽椅子探偵ON AIR【映像作品】(平成18年)

有栖川有栖×綾辻行人の2人によって視聴者へと挑戦する映像ミステリ「安楽椅子探偵」シリーズの第6作になります。

シリーズは独立しているのでここから見て問題ありません。

凄まじい切れ味のロジックに感動した作品です。映像作品というジャンルを活かした、鮮やかなロジックには諸手を挙げるしかありません。犯人当てはやっぱり最高だーー!!!と叫びたくなった作品です(なおツイッターでは叫んでいる)。

12:密室殺人ゲーム王手飛車取り/歌野晶午(平成19年)

「頭狂人」「044APD」「aXe」「ザンギャ君」「伴道全教授」という奇妙なハンドルネームの5人が集まるインターネット上のとあるチャットでは、殺人推理ゲームが出題され、お互いに解き合っていました。

……ただし、その殺人は全て「出題者が現実世界で実行した」もの。

猟奇的で狂った殺人ゲームの行き着く果てには瞠目させられました。

続編の『密室殺人ゲーム2.0』も、このシリーズであることを活かした傑作になっています。

世間ではそんなに評価高くないようですが、3作目の『密室殺人ゲーム・マニアックス』も好きです。

ノベルスのカバー折り返しで「書いていた時はそうではなかったけれど、いつの間にか時代が追いついた」と作者がコメントしていたように思います。

インターネットが普及した平成に登場したことに意義のある作品だと思います。

13:1/2の騎士/初野晴(平成20年)

迷いました。

初野先生のハルチカシリーズの第1作である『退出ゲーム』か、『1/2の騎士』、どちらにするか……

驚きなのですが、なんとこの2作、どちらも平成20年の10月に刊行されているのです。

こんなにハイクオリティな2作を同時期に出せるとは!

 

悩んだ末に、こちらの作品にすることにしました。

詳しいことはこちらの記事で紹介しているので割愛しますが、

yotsuba-box.hatenablog.com

とにかく様々な要素が詰め込まれていて、感じる熱量が半端ないんです。

青春、ファンタジー、異常犯罪者……様々な要素を、それぞれ妥協することなく書ききっているのが凄いです。イチオシです。

14:新世界より貴志祐介(平成20年)

第29回日本SF大賞受賞作です。

人生ベストの作品はなんですか、と言われたらおそらくこの作品を選ぶと思います。

文庫で上中下巻とかなりの分量になっていますが、読み進めたら止まらなくなってあっという間に読み終えてしまいました。

壮大な物語と、常に先の気になる展開に、これ以上ないくらい没頭して読みふけっていたのを覚えています。

この物語の構造は、解説にもある通りミステリのプロットのようになっています。物語終盤で霧の晴れてくるようなあの感覚は、間違いなくミステリのそれと言ってよいでしょう。

文句なしの傑作です。

 

 

15:六つの手掛り/乾くるみ(平成21年)

6つのお話の入った短編集です。

まず各章のタイトルの遊びが面白く目を引きます。

そして面白い作品ばかり!

うっとりするようなロジックが乱れ飛び、幸せな気分になりました。

特に唸らされたロジックは、「四枚のカード」「二枚舌の掛軸」で、その趣向が大好きなのが「一巻の終わり」です。

バラエティー豊かでハイクオリティの6つの短編を、ぜひ楽しまれてください。

16:Another/綾辻行人(平成21年)

夜見山北中学校に転校してきた主人公は、そのクラスが何かおかしいことに気づくのですが……?

Part1  What?…………Why?

Part2  How?…………Who?

という構成となっており、序盤では「何が起こっている」のかがわかりません。

何かがおかしい、でもなんでそんなことになっているのか? 得体の知れない不気味さがたまりません。

後半では色々と明かされていくわけですが、ラストのあの一撃で完璧にやられました。露骨に貼られていた伏線にそこでようやく気がついて、目を見張りました。

特殊世界設定とミステリ、ホラーという要素が美しく混ざり合った、素晴らしい作品です。

17:消失グラデーション/長沢樹平成23年

第31回横溝正史ミステリ大賞受賞作です。

変わった表紙が目を引きますね。

男子バスケ部員の椎名康と放送部員の樋口真由の2人が校内で起きた奇妙な消失事件に挑みます。

現場検証をして屋上から人の消えた理由、落下した人が消えた理由などを少しずつ解き明かしていく過程が良いです。

そしてなんと言っても思考の死角をついてくるような真相が最高です。

18:UN-GO【TVアニメ】(平成23年

 坂口安吾の小説『明治開花安吾捕物帖』「白痴」「アンゴウ」などを原作とし、舞台を近未来にしてリメイクした斬新な作品です。

原作の設定を残しつつ、舞台を大幅に変えたことにより変化せざるを得ない部分に、上手い着地点を見つけているところが素晴らしいです。

第一話「舞踏会の殺人」(原作「舞踏会殺人事件」の犯人を(ピー)から(ピー)にしたこととか、『無情のうた』の白タクとか、第3話「覆面屋敷」&第4話「素顔の家」(原作:「万引一家」「覆面屋敷」)の癩病-RAIなどなど。

アニメを見た人は原作を読み、原作を読んだ人はアニメを見ると変更点に感心させられ、二度楽しめるかと思います。

19:怪盗Xからの挑戦状/米澤穂信ケータイ小説×TV番組】(平成23年

NHKで放送されていた探偵Xからの挑戦状!という番組のseason3で放映された米澤穂信先生の作品です。

この番組は、事前にケータイに問題編が送られ読者が推理を投稿し、TVで問題編と解決編、そして投稿された推理を紹介するというものでした。

携帯電話が普及してきたからこそ成立した番組とも言えますね。

それだけでなく、この時期に発表されるべくして発表された作品でもあります。

詳しくはネタバレになるので伏せますが、唸らされること請け合いだと思います。

 

私は犯人自体は辿り着けたのですが、ロジックが甘かったのと大量の伏線に気づけなかったので唸らされました。そしてあのラストですよ……参りました。

DVDが発売されていないのが残念でなりませんが、小説版でも楽しめるようなので興味のある方はぜひ。

20:恋と禁忌の術語論理/井上真偽(平成25年)

第51回メフィスト賞受賞作です。

他に類を見ない、異彩を放った作品です。

すでに解かれた事件を、「数理論理学」を使って再検証する——繰り出される論理記号とその一風変わった検証過程に衝撃を受けることでしょう。

数理論理学という難解なテーマを扱っているためか、登場するキャラクターたちはライトな感じで、作品全体が堅苦しくなりすぎないような上手い具合になっています。

そうそう、レッスンⅢ「トリプレッツと様相論理」ではなんと、『その可能性はすでに考えた』『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』 の探偵役、上苙丞(うえおろ じょう)が登場しますよ。

登場する3つの事件とその検証も魅力的なのですが、最後の章のまとめ方も素晴らしいです。ここでさらに加点要素を入れてくるか……!

数理論理学って難しそう……と思っている方でも大丈夫です。雰囲気だけ掴んでいても楽しめる内容となっていますので、ぜひ手に取ってみてください。

21:さよなら神様/麻耶雄嵩平成26年

連作短編集で、なんと全ての章の1行目で犯人が明かされるという構成になっています。

それだけなら普通の倒叙もの(犯人視点のミステリー)ですが、この作品の特殊なところは、「犯人は〇〇だよ」と告げるのが「神様」であることです。

 

『さよなら神様』はシリーズ2作目にあたります。

1作目は神様ゲーム(長編)で、2作目が『さよなら神様』(連作短編)です。

「神様」と名乗る少年、鈴木太郎の言葉は神様ゆえに絶対である……ですから犯人の名前を告げることができるわけです。

しかし犯人がわかっていても、その人物が犯人とは考えられないような事件なのです。主人公の入っている少年探偵団は鈴木の言葉が正しいのか事件を調査していくのですが……

最初の3話も面白いのですが、インパクトは弱めです。と思っていると、「バレンタイン昔語り」でガツンと衝撃を、「比土との対決」で度肝を抜かれました。

この2話の破壊力は凄まじいです。

犯人の名前を一行目で明かしておきながら、ここまで衝撃を受ける作品が書けるのかと心底驚いた記憶があります。あと最後の台詞が好きです。

22:誰も僕を裁けない/早坂吝(平成28年

上木らいちシリーズの3作目であり、シリーズ中で最も好きな作品です。

未成年淫行と、新本格の館という二つのガジェットが巧く組み合わされていて仰天しました。

ミステリでこんな感じの館が出てきたらこうなるよな……というテンプレを巧みに料理しています(作中でも意味のない伏字で何度も言及されます)。

そして真相が明らかになったあとの「アレ」には心底驚かされました。その趣向があまりにも好みど真ん中だったので、それをやられた瞬間に今年のマイベスト1位はこの作品だと確信しました(実際そうなりました)。

23:彼方のアストラ【漫画】(平成28年

全5巻のSF漫画……であり、がっつりミステリでもあります。

非の打ちどころがないくらいの傑作です。

公式サイトで3話まで試し読みできるのでぜひ読んでみてください。

shonenjumpplus.com

冒険譚サバイバルものとしてもめちゃくちゃワクワクしますし、テンポの良いギャグパートには笑わされ、愉快で一癖も二癖もあるキャラクターに魅了され、明かされる真相には脳天を撃ち抜かれたような衝撃を覚えます

今年の夏にはアニメ化も決定しています。おそらくネタバレも多数飛び交うので、その前に急ぎましょう!

24:君の名は。【劇場アニメ】(平成28年

大人気の映画ですので、聞いたこと・見たことのある人がほとんどではないでしょうか。人気になってるし観に行こうか、と軽い気持ちで映画館に行ったのですがめちゃくちゃ良かったです。

世間で評判になっている作品は知らず知らずのうちにハードルが上がるもので、この作品もそうだったのですが余裕で超えた作品です。

一般にはミステリ作品という扱いではないと思いますが、ミステリ的プロットが用いられていて、それが実に素晴らしいです。

人生で初めて劇場に2回足を運んだ映画なのですが、2回目だと初見で気づかなかった伏線に驚かされました。

25:マツリカ・マトリョシカ相沢沙呼(平成29年)

相沢沙呼先生の最高傑作です。

1作目『マツリカ・マジョルカ』2作目『マツリカ・マハリタ』に続くマツリカシリーズの3作目の作品です。

前2作は短編集でしたが、本作は長編です。

これまでは日常の謎、という印象が強かったのですが、本作は本格ミステリ色が非常に強い作品となっています。

そんなところから……!と思わず声に出したくなるような推理の起点、そして紡がれるロジックに惚れ惚れしました。

相沢先生だからこそ書ける、最高の青春本格ミステリです。

26:希望が死んだ夜に/天祢涼(平成29年)

14歳の冬野ネガは、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕されます。しかしその動機は決して語ろうとしません。

一体彼女たちの間に何があったのでしょうか?

 

生活保護という非常に重いテーマでしたが、終始辛いというわけではなかったのはおそらくネガとのぞみのエピソードに「希望」が存在していたからでしょう。

のぞみが死んでいるという結果からその希望が打ち砕かれてしまうことはわかるわけですが、想像以上でした。

希望が「死ぬ」、その一撃の容赦のなさ……

その瞬間、タイトルが重くのしかかってきます。

 

社会問題に真正面から切り込んだ、社会派青春ミステリの傑作です。

27:かがみの孤城辻村深月(平成29年)

2018年本屋大賞受賞作品です。

不登校の少女がある日突然、鏡の中の世界へと引き込まれます。

そこには同じような境遇の子供たちが集まっていました。

そして「オオカミさま」と名乗る少女が現れ、ゲームの始まりを告げます。

鍵を見つけた一人だけ、願いを叶えることができる、と……

 

めちゃくちゃ刺さりました。

主人公の姿に、メンタルをやられて仕事を休むことになった自分が重なり、終盤は泣きながら読んでいました。

中高生にぜひ読んでほしい作品ですね。

28:屍人荘の殺人/今村昌弘(平成29年)

ミステリ界で一躍話題になった作品です。面白いという評判通り、非常に楽しめました。

〇〇〇という伏字を使って公式が紹介していたのも印象的でしたね。

その〇〇〇をクローズドサークル成立の要素にし、ミステリに絡めてくるという面白い試みでした。

〇〇〇を扱ったミステリはいくつか知っていますが、こういう使われ方は初めてじゃないでしょうか?

不可能犯罪を解き明かすロジックの一撃も非常に良かったです。

29:名探偵誕生/似鳥鶏(平成30年)

あらすじを見て自分が好きそうな作品だな、と思って読み始めたら、想像以上に自分の好みの作品でした。

章を追うごとに、小学生、中学生、高校生……と主人公が成長していきます。

「その瞬間、あなたは心を撃ち抜かれる。」と帯にあり、読む前は盛ってるんじゃないのー? などと思っていましたが見事に撃ち抜かれました。

3章ラストからの、4章、5章のコンボは強烈すぎます……

ミステリ的な構図が、主人公たちの物語と強く結びついているのも良いです。

30:リズと青い鳥【劇場アニメ】(平成30年)

吹奏楽をテーマにした「響け! ユーフォニアム」のスピンオフであり完全新作でもある作品です。独立した物語としても視聴可能とのことで、私も「響け! ユーフォニアム」未視聴の状態で観に行ったのですが非常に楽しめました

ぴん、と張りつめたような空気にずっとドキドキさせられ、青春の苦さ、切なさ、苦しさを痛いくらい感じる作品になっています。

一般的にはミステリとして語られることはないと思いますが、ミステリ的要素があり、それにいたく感銘を受けました。

劇場に2回足を運びにいったくらい好きな作品です。

31:ケムリクサ【TVアニメ】(平成31年

SFですが、伏線の張り方や構成など、広義のミステリと言える作品だと思います。

 

序盤はひたすら謎だらけで、どのような世界観なのかもわかりません。話が進むにつれ少しずつわかってくることはあるものの、大部分は説明されません。

そして11話でそれまで積み上げてきた謎が氷解します。本当に見事としか言いようがありませんでした。

怒涛の伏線回収に震えました。まさかあれまで伏線だったなんて……

平成最後に、素晴らしい作品を観ることができて大満足です。

 

 

31作品一覧&総括

はい、ということで平成ミステリマイベスト31でした。……めっちゃ長くなりましたね!

もっとさくっと紹介しようと思ってたんですが、書き始めると熱が出てきてついついボリュームUPしちゃいました。

せっかくなので並べてみました(手元にない作品もあるので31作全てではないですが)。

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令和に発表されるミステリも楽しみです……!!

 

最後にここまで紹介した31作品を載せて終わりにしたいと思います。ここまでお付き合いありがとうございました!

 

1 孤島パズル

2 金田一少年の事件簿

3 名探偵コナン

4 そして五人がいなくなる

5 名探偵の掟

6 すべてがFになる

7 Q.E.D.証明終了

8 実況中死

9 壷中の天国

10 厭魅の如き憑くもの

11 安楽椅子探偵ON AIR

12 密室殺人ゲーム王手飛車取り

13 1/2の騎士

14 新世界より

15 六つの手掛り

16 Another

17 消失グラデーション

18 UN-GO

19 怪盗Xからの挑戦状

20 恋と禁忌の述語論理

21 さよなら神様

22 誰も僕を裁けない

23 彼方のアストラ

24 君の名は。

25 マツリカ・マトリョシカ

26 希望が死んだ夜に

27 かがみの孤城

28 屍人荘の殺人

29 名探偵誕生

30 リズと青い鳥

31 ケムリクサ